2022.5.15
アイキャッチに使われる数字のフォントを考察してみようという、非常にニッチなデザイン領域の記事です。
紙媒体などでは目を留めてもらうためのアイキャッチとして、見出しや説明文の頭に数字を入れることがあります。例えば、こんな感じです(下記の紙面はダミーで作成したものです)。
下のように大きく数字を入れる場合もあります。
上記は雑誌でよく見かける形ですが、例えばパンフレットで商品を紹介する場合は「特徴1」とか入れますし、手順を説明するのであれば「ステップ2」とか載せたりするわけです。WEBでもキャンペーン・サイトなどで「特典1」と載せることがあると思います。
ようするに目立つ感じで数字を入れるケースって、意外と多いんですね。ただ、これが結構悩みます。どのフォントにしようかと。
そこでどういうフォントが実際によく使われるのか、一度整理してみようじゃないかというのが今回の趣旨です。
以下、主に雑誌で見かけたフォントを紹介していきます。
まず、Caslonです。使用頻度が多くて、たくさん見かけました。とくに白バックの多い、ゆったりとしたつくりの上品な紙面で、スッと小さく用いられる傾向があります。「01」という形で、0と組み合わせられることも多いです。
Caslonと似たテイストでは、Garamondもありますね。Adobe製品にバンドルされているものはファミリーが少ないので、ここではAdobe Fontsに収録されているPremierを挙げておきます。こちらも小さめの文字で用いられることが多いです。
Italic Displayもちょくちょく見かけました。細いウェイトのものを大きめのサイズで用いたりしています。3のストロークの両端がすっと細くなっている。それが流麗な印象を与えます。
人気のDINも、もちろん活躍しています。アイキャッチで使われるときはコンデンス体が多い印象です。汎用性が高いのか、上品な紙面から賑やかな紙面まで、様々なジャンルで見かけます。
DIN以外でもコンデンス体で使われているフォントはたくさんあるのですが、ちょっとカバーしきれないので、とりあえずDINだけでご容赦を。
Bodoniです。2,3,5などはストロークの線端が丸になっていますが、これを「ボール・ターミナル(ball terminal)」と呼ぶようです。日本人にはあまり馴染みのない用語ですが、覚えておくとどこかで役に立つかもしれません。
Didoniになると、Bodoniよりも曲線が強調されてくる感じ。とくに2のフォルムは目立ちます。Scotchになると、さらに装飾的な印象が強くなります。
アイキャッチの場合、数字が若いほど使用頻度も高くなります。123とかですね。逆に789などは使われないことも多い。なので、若い数字がフォント選びの一つのポイントになるかもしれません。
装飾性は欲しいけど、BodoniやDidoniほどストロークの強弱はない方が良いという場合、Clarendonがひとつの選択肢になるでしょうか。
割と押し出しが強いので、セールス系の媒体とかでも使えそうですね。
Didotなんですが、Macにバンドルされているものは数字がオールドスタイルになっています。特に問題なのが1で、これだとアルファベットのIに見えてしまう。
というわけで、アイキャッチに使うならAdobe Fontsに収録されているLinotypeのDidot LT Proを使った方が良いでしょう。3の真ん中にある突き出しがスッと左下に向かっているのが特徴的ですね。
Futuraが用いられる場合は、細いウェイトで大きく扱われることが多いです。ミディアム以上で使われるケースはかなり少なかったです。
ウェイトが細くなると、6や9の丸い部分が目に留まりやすくなりますね。僕だけの感覚かもしれませんが。
DEAN & DELUCAやMOLESKINのロゴでお馴染のCopperplate。1文字だけで使うと、せっかくのニュアンスが伝わりづらいかもしれません。実際の使用例でも01、02という感じで、2文字で用いられていました。
ということで、他にもたくさんあるのですが、ひとまずここまでにしたいと思います。あくまで僕が雑誌で見た限りのフォントなので、その点をご承知おきください。
数字のフォントに関しては、以前に「価格表記のフォント」という記事を書いていますので、ご興味があれば、こちらもご参照ください。