2022.12.20
こんにちは、中原です。今回はAdobe Fontsの中から、誕生日祝いのバースデー・メッセージに使えそうな欧文フォントをピックアップしたいと思います。
バースデー・カードや誕生日DMなど、文面にHappy Birthdayが入るケースは結構多いと思います。いざとなってから、フォントを探し始めると、意外に手間取ったりするので、あらかじめ使えそうなフォントを知っておこうという次第です。
最初にお断りしておくと、Adobe Fontsの中で今まであまり紹介されてこなかったフォントを取り上げたいと思います。そのため、僕も使ったことがないフォントがたくさんあります。あくまで「使えそうだな」という視点で語っていきますので予めご了承下さい。
スクリプト系
まずはスクリプト系、つまり筆記体のフォントから。グリーティングではよく用いられるスタイルですが、Adobe Fontsにもたくさん収録されています。
Bickham Script
適度な流麗さがありながら、凝りすぎていないところがいいと思います。可読性もあって、汎用性が高い感じ。
と書きましたが、このBickham Script、異なる字形のバリエーションが非常に多くて、文字の選び方次第では下記のような感じになります。
同じフォントとは思えないぐらいですね。こうして自分で調節しながら、印象を変えていくことができるという、非常に楽しいフォントです。
Bickham Script | Adobe Fonts
異なる字形の入力方法
Bickham Scriptのようにフォントに異なる字形が収録されている場合、下記の方法で選択・入力できます。
Illustratorの場合、メニューのウィンドウ>書式と進んで「字形ウィンドウ」を開いて下さい。表示が「現在の選択文字の異体字」になっていることを確認して、その状態でテキスト上の文字を選択。異なる字形が収録されていれば、一覧が表示されます。
どれかの字を選んでダブルクリックすると、テキスト上の文字が置き換わります。
これから紹介するスクリプト系やハンドライティング系のフォントでも、こんな感じで色々な字形が登録されているものがあるので、ぜひ試してみて下さい。
Filmotype Yale
線幅の強弱がはっきりしていて、細いヘアラインが美しいフォント。ストロークが装飾的に曲線を描くスタイルをカリグラフィの世界では「フローリッシュ」と呼ぶようですが、抑制的なフローリッシュで、色々な場面で使えそうです。
Filmotype Yale | Adobe Fonts
Nautica
Filmotype Yaleに比べると、ストロークもかなりフローリッシュになって、お祝い感が増幅されているフォントですね。ウェディングにも使えそうな感じはします。
試しに、Wedding Invitationで組んでみました。Weddingの2番目のdがクルッとカーブを描くのが面白いです。このフォントも字形が豊富に揃っていて、「カールするのはイヤだ」と思ったら、カールしないdも選択可能です。
Nautica | Adobe Fonts
Medusa
ギリシャ神話に出てくる、髪がヘビの怪物「メドゥーサ」の名前を持つフォント。そう言われてみると、縦横にストロークが伸びるHの字形はメドゥーサっぽいですね。
使う場面は限られてくるかもしれませんが、この細い線幅と派手なストロークの対比にはけっこう魅力を感じます。
Medusa | Adobe Fonts
ハンドライティング系
スクリプト系よりもカジュアルな手書き文字になります。僕自身はグリーティングにハンドライティングを使ったことがほとんどなくて、今ひとつ、勘どころを掴めていないんですが、祝祭感がありつつもフレンドリーな雰囲気を出したいときになるでしょうか。
Mina / Liana
上がMina、下がLianaです。イマドキな雰囲気を持ったハンドライティングでありながら、適度に装飾的ではないかと思います。とくにMinaは、覚えておくとグリーティング以外にも色々と役立ってくれそうな気がします。
Mina | Adobe Fonts
Liana | Adobe Fonts
Mr Blaketon / Mr Canfields
上がMr Blaketon、下がMr Canfieldsです。第一印象はスポーティという感じ。スピード感のある筆致です。あまりバースデーらしさはないかもしれませんが、スポーツ店とかバイク店とか、そういう業種の誕生日DMなら有りかも。
どちらもBluemlein Script Collectionに入っています。
Bluemlein Script Collection | Adobe Fonts
Milonguita
度肝を抜くようなフォント。ここまで振り切っているのはなかなか珍しいんじゃないでしょうか。使いづらそうに見えますが、この自由な雰囲気を活かせる方向、例えばアウトドアとか、ガーリーポップなら似合いそうな気もします。
キャンプの写真に合わせてみましたが、結構いけるんじゃないですかね(いくつかの文字は字形を変更しています)。なかなか楽しいフォントだと思います。
Milonguita | Adobe Fonts
かっちり系
かっちり系というジャンル名もどうかと思うのですが、ようするにかっちりとしたニュアンスのフォントですね。
Griffon
Copperplate Gothicに似た雰囲気を持ちながら、装飾的な部分がより強調されている感じでしょうか。バースデーなら、どんな業種で使っても大丈夫そうな気がしますが、とりわけラグジュアリーな方向に似合いそうです。
Griffon | Adobe Fonts
Mrs Eaves
おすすめのAdobe FotnsとしてWEB記事でもよく紹介されているフォント。色々なファミリーがあるのですが、上はRoman Petite Capsで組んでいます。覚えておいて損はないフォントになるでしょうか。
Mrs Eaves | Adobe Fonts
Aviano Royale
大文字がスクリプトになっているスモールキャプス系。かっちりしているだけではない、ちょっとオシャレな雰囲気が漂いますね。
Aviano Royale | Adobe Fonts
Paganini
僕は好きですね、このフォント。hとdの縦棒がスクッと伸びて気持ちいい。あと、yのゆるやかなカーブも目に心地よい。まったく個人的な感想ですが、誕生日ケーキのメッセージカードにこの書体が使われていたら、すごく似合いそうな気がします。
ファミリーにオープンフェイスもあります。こちらも良い感じ。
Paganini | Adobe Fonts
その他
最後にノンジャル的に、ちょっと気に留めたいフォントを紹介します。何々系と、ひとことでは言えない感じの個性派です。
meatball
ミートボールという名前のとおり、コロッとしたところが可愛いフォント。手作りっぽい雰囲気もありますね。
meatball | Adobe Fonts
Lust Script
個性は強いのですが、バースデーに限らず、意外と色々なところで役に立ってくれそうなフォント。装飾的な大文字を避けたいなら、おとなしめの字形もあります。
Lust Script | Adobe Fonts
P22 Muschamp Pro
絵本のタイトルっぽいフォント。こういうフォントはいざとなってから探そうと思っても、なかなか見つけられないので、覚えておくに越したことはないでしょう。
P22 Muschamp Pro | Adobe Fonts
Wigwag / MVB Hotsy Totsy
上がWigwag、下がMVB Hotsy Totsy。子供のお誕生日会みたいな雰囲気。Hotsy Totsyにはオープンフェイスではないファミリーもあります。
Wigwag | Adobe Fonts
MVB Hotsy Totsy | Adobe Fonts
頻繁に使うわけではないけれど、ある日突然必要になるフォントというのは、どこかに書き留めておかないとなかなか思い出せないので、自分の備忘録としても記事を書きました。ひとつでも気にったフォントを見つけて頂けたなら幸いです。