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Unicodeの特殊文字

    2022.2.20

    国際的な文字コードであるUnicodeには、興味深い文字や記号がけっこう含まれています。今回はそれを見ていこうじゃないか、という記事です。

    最初に申し上げておくと、下記の特殊文字に対応していないフォントもかなりあります(対応していない方が多いです)。ですので、どのフォントでも表記されるわけではない、ということはご承知おきください。

    ※画像下のU+○○○○はUnicodeの番号。フォント名は画像で使用しているフォントです。

    ■U+3020 小塚ゴシック
    定形郵便の普及のために作られた郵便局のキャラクター「ナンバーくん」の顔部分。ウィキペディアの表記に従うと「顔郵便マーク」なのですが、正式名称は不明らしいです。
    昭和の時代にはよく見かけましたが、最近はめっきり目にしなくなりました。そういうマークでもUnicodeには残っているというわけです。

     

    ■U+2668 小塚ゴシック
    温泉マーク、意外と古くて明治17年には地図記号として使われていたようです。さらに起源をたどると江戸時代まで遡るという説も。
    2020年東京五輪の際、海外からの観光客には温かい料理に見えるおそれがある、ということで改定が議論されたのは記憶に新しいところです。料理に見えるとすればハンバーグですかねえ。温泉はやはりこのマークじゃないと淋しいです。

     

    U+2702 小塚ゴシック
    ハサミのマーク。どんな場面で使うのだろうという疑問が出てきますが、私はちょっと思い当たる節があります。おそらく、切り取り線に使うことを想定しているんじゃないかと。

    こんな感じですね。「切り取ってお使い下さい」みたいなクーポンでよく見かけます。実際、どういう経緯でUnicodeに収録されたのかはわかりませんが、覚えておいて損はないマークだと思います。

     

    ■U+323A 小塚ゴシック
    括弧付き文字で有名なのは(株)とか(有)だと思います。しかし、これは何の略かとしばらく考えてしまいました。結論から言うと、呼び出し電話です。

    呼び出し電話とは何ぞや、ですが、まだ固定電話が各世帯に普及していない時代、近所のお宅の電話を借りたりしていたんですね。自分宛に電話してもらうときも、そのお宅の番号を伝えていました。いわば電話番号をシェアしていたわけで、現代の感覚からすれば無茶な話なんですが…。

     

    ■左:U+2616 右:U+2617 源丿角ゴシック
    将棋の駒です。今回の記事のきっかけは「将棋雑誌の文中で使われている駒のマークはUnicodeに入っているのかな」という疑問から始まったのでした。
    将棋の棋譜では黒い駒が先手なのですが、Unicodeでは後手の白い駒が若い番号になっているのも興味深いところです。

     

    ■左:U+2658 右:U+265E Apple Symbols
    将棋があれば、当然チェスもあります。チェスの場合は白い駒が先手なんですね。だから白い駒が若い番号になっているのは納得。
    チェスについては白黒共にすべての駒のマークがUnicodeに収録されています。U+2654〜U+265Fに割り当てられていますので、気になる方は探してみて下さい。

     

    ■U+2685 Apple Symbols
    サイコロの目もUnicodeに入っています。ちょっと使ってみたくなりますが、意外と対応しているフォントは少ないです。Apple Symbolsの他には、さわらびゴシックで確認しました。
    1〜6までの目が揃っていて、U+2680〜U+2685に割り当てられています。

     

    ■U+2628 Apple Symbols
    「ロレーヌ十字」と呼ばれるものです。第一回十字軍の指揮官ロレーヌ公に由来します。日本人にはあまり馴染みがないかもしれませんが、国際的な結核予防のシンボルに採用されて、今でも「複十字シール」に使われています(複十字
    の場合は横棒が同じ長さですが)。

    私も初めてこういうことを知ったのですが、Unicodeの一覧を眺めながら、「このシンボルは何だろう?」と調べると、意外と色々なことがわかるんですね。

     

    ■U+2695 さわらびゴシック
    これもあまり知られていないかもしれませんが、「アスクレピオスの杖」と呼ばれるもの。杖に一匹の蛇が巻き付いている形です。
    アスクレピオスはギリシャ神話に出てくる名医で、死後、天空に上げられてへびつかい座になりました。名医が使っていた杖ということで、世界的に医療機関のシンボルに良く用いられています。一番有名なところで言えば、WHOのロゴマークでしょうか。

     

    ■左:U+2642 中:U+2644 右:U+2646 AppleSymbols
    これは惑星記号と呼ばれるもの。左から火星、土星、海王星を表しています。占星術で用いられていますが、昔は天文学でも使われていたようです。
    「あら、左はオスのマークじゃないかしら」と思われたかもしれませんが、そのとおりで、実はオスのマークは火星の記号から採られているんですね。同じくメスのマークも元になっているのは金星の記号です。「分類学の父」と呼ばれるカール・リンネの発案です。

     

    ■U+4DF6 Apple Symbols
    「当たるも八卦、当たらぬも八卦」で知られる易占いの卦。八卦とは8パターンの自然現象のことで、それを掛け合わせて全部で64パターン。
    Unicodeにもすべて入っていて、U+4DC0〜U+4DFFに割り当てられています。
    ちなみに上の画像は「雷火豊」と呼ばれる卦。上半分が雷。下半分が火を表しています。

     

    ■左:U+3039 右:U+303A 源丿明朝
    昔はちらほら見かけた漢字です。左が「二十」、右が「三十」を表しています。二十については「廿」という方が良く使われていたかもしれません(上記のU+3039は「廿」の異体字のようです)。「廿」も珍しい漢字ですが、広島県の「廿日市市」に使われていますね。

     

    ■U+329E 小塚ゴシック
    ここにハンコを捺してください、というときに使われるマーク。行政機関や事務関係の方などには案外お馴染のUnicodeなのかもしれません。使用頻度が高いせいでしょうか、多くの和文フォントに収録されています。
    ただ、ハンコ廃止の流れになっていますから、このマークも今後は目にする機会が少なくなるかもしれません。

    まだ、たくさん興味深い文字やマークはあるのですが、ひとまず、このへんにしておきましょう。
    日の目を見なくなったマークもありますが、こうしてUnicodeに収録されていることで残っていく。そうした文字や記号のアーカイブとしても面白いかと思います。

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