2021.11.8
フリーランスや個人事業主の方にとって、名刺のデザインは色々と悩ましいものがあると思います。営業ツールとして考えれば、相手の印象に残るデザインが望ましいわけですが、目立てばいいわけではないと。あくまで「好ましい印象」ですね。
とくに技能系のフリーランスや専門性の高い士業などは、ギラギラした印象を持たれるとかえって逆効果になる場合もあります。相手の方に「今後もお付き合いしたいな」と思ってもらえるような名刺がひとつの目標になるでしょうか。
今回はそのあたりを踏まえながら、尚かつ、できるだけ低予算でもデザイン可能な名刺を考えてみたいと思います。
※下記の名刺の文面はすべてダミーです。写真はストックフォトを使用しています。
イニシャルの名刺
最近はあまり見かけなくなりましたが、昭和時代にはハンカチとかペンとかの持ち物に自分のイニシャルを入れることがありましたね。
現在では扱える書体も格段に増えましたから、もう一度、イニシャルの良さを見直してもいいと考えています。デザイン次第では、アルファベット1文字だけでも十分印象に残るものがあります。
上はフリーの編集者を例にしていますが、古い書物のようなアンティークぽさを感じさせつつ、かっちりとしたタイプフェイスで信頼感を醸し出すイメージ。Vivaというフォントを使っています。
ライターさんであればスクリプト系のフォントなどにすると、職業に近しい雰囲気になるでしょう。ちなみに上で使用しているのはP22 Zanerというフォントです。スクリプト系の中でもかなり華やかな印象。ファッション系やフード系のライターさんにマッチするでしょうか。
アルファベット1文字で印象を作るのが難しければ、2文字使う手もあります。上のサンプルだと、かなりロゴっぽい感じになってきますね。フォントはEthnocentric。SF映画的な雰囲気があるので、システムエンジニアのようなIT系に合うかもしれません。
こんな風に「目を惹くアイキャッチが欲しいけど、ロゴやイラストを依頼すればデザイン代が掛かるしなあ」というときにイニシャルは一つの選択肢になると思います。
顔写真の名刺
貰う側からすると、顔写真付きの名刺はけっこう便利で、顔と名前を思い出しやすいのですが、カラー写真だとインパクトがちょっと強すぎるんですね。
セールスっぽさが出てくると言いますか。営業職であればそれもいいのですが、技術系の職種だとそぐわない場合があります。
その点、写真をモノトーンに変換すると、かなりソフトな印象に。カラーのままだと浮き立つ画像も、モノトーンで色味を調整すると全体的に統一感が出て、落ち着いた感じになります。
ついでに言えば、人物写真についても、真正面よりは少し角度が付いている方が雰囲気が出ます。視線も外した感じの方がいいでしょう。
翻訳者の名刺は切り抜き写真でしたが、背景を活かしたままの写真(角版)を用いる方法もあります。
切り抜きにするとカジュアルな印象になるので、親しみやすさは醸し出されるのですが、行政書士さんや司法書士さんなど、高い信頼性が求められる士業の方は角版がいいかもしれません。
あと、上のプログラマーの名刺のように、実際に働いている様子を写真にしてもいいと思いますね。写真次第ではかなりエモーショナルな印象になります。
こういう眼差しで仕事をしているんだなとか、こんな仕事場なんだなとか、伝わってくるものがあります。ご家族やご友人に撮ってもらう形になるでしょうが、そういうスナップ写真も検討してみて下さい。
ということで名刺作りのヒントになればと思います。