昔のマッチ箱 第1回

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かつて岡山市内にあった喫茶店のマッチ箱です。側面に電話番号が書かれているのですが、市内局番がまだ2桁ですから、昭和時代のものでしょう。

黒と白のツートンカラーが目を惹きますね。その境目を跨がるようにバラのイラストと店名。
こういう左右まっぷたつのデザイン、最近だとなかなかお目にかからない気がします。とくにコントラストの強い配色は避ける傾向にあるんじゃないでしょうか。

でも、だからこそと言うのか、妙に惹かれる部分はあります。そもそも僕がマッチ箱を集め出したのも、現在のグラフィックにはない表現に魅力を感じたせいでもあります。

名花苑の拡大

バラのイラストも手描きならではの味わいがあります。花びらも左右対称ではないのがいいですね。
右にニュッと付き出している葉っぱも絶妙なバランス。
何でもIllustoratorで作れてしまう時代ですが、こういう絵を見るとハッとさせられます。

もう一つご紹介したいのがこちらのマッチ箱。

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かつて広島県の宮島にあったドライブイン。
「miyajima」の文字組みが面白いですね。そして、レストラン、喫茶などの文字が店名にくっつくように載っている。
そのおかげでブルーの背景がすっと目に入ってくるわけですが、なぜ、ここまでブルーを強調するのか。その答えは裏面にあります。

宮島ドライブインのマッチ

表と裏がひとつながりの絵になっている。
この白く描かれた建物がドライブインだと思いますが、宮島なので、海沿いに建っていたのかもしれません。そして、そこから見える空の青さをどうしても強調したかったのでしょう。

お店自体ではなく、そこから見える風景の色がいわばコーポレートカラーになっている。そう考えると、とても面白いですね。

このドライブインに行ってみたくなりますが、残念ながら、すでに無くなっているようです。
マッチ箱を眺めることは、失われた風景を巡る旅でもあります。

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